・インディゴ染め
ジーンズがブルーじゃなかったらこれほど日常に、世界に浸透しただろうかと思うのです。
ブルーデニムの青い染料はインディゴです。もちろんブルーの染料は他にもあるのだけれど、それらは丸染め(縫製した後に染める)のパンツに使われる程度でジーンズに使うデニムは、これはもうインディゴ染めが常識。
どうしてインディゴ染めがジーンズで使われるようになったかは、虫避け、蛇避けなどの説がありますが、それを今追求しても特に実りはなさそうなので、私は思うに、これはジーンズの必然の結果だと…。
ただ、実際、何度も未洗いのパリパリジーンズを鼻に近づけて匂いを嗅いだ私としては、蛇や虫が嫌うとはどうしても思えないんですよ。確かに独特の匂いはあるんですけど、それも2〜3回の洗濯でほとんどなくなっちゃうし。
あんがい当時の染料屋がだぶついたインディゴを売るために作った話とか、そんなところのような気がするのは私だけ?
インディゴは他の染料と比べて明らかに違う事があります。つまり、染まりにくい。
しっかりと染めるには生地あるいは糸を染めては絞って、それを数十回繰り返さないと染まらないのです。めんどうなんです。それでも芯まではなかなか染まらないといいます。
そして、一見しっかり染まっていても定着力のよわ〜いインディゴは洗濯の度に綿糸からはがれ落ちて行きます。だからジーンズに限らずブルーデニム製品には、色落ちを注意するタグが必ず付いていますよね。
さて、例えばベージュやカーキ色のジーンズだと、どうでしょう。カジュアルには着られても労働着としては、ヨゴレが目立ちすぎて洗濯が大変そうです。
一方ブルージーンズは、色が濃いうちはシミなんかも余り目立たないし、色が褪せたとしても、それが「よく、一緒に働いてくれた」みたいな表情になってくれます。
結果、すり切れて穴があくまで穿いていられる、リーズナブルなパンツ、という認識でブルージーンズが広まったと考えられないでしょうか?
考えてみると、色が抜けたり、すり切れても使い続けられる衣料品は他にはなかなかないでしょう。私の子供の頃には、すでに「おろしたてのジーンズくらい格好悪いものはない」という風潮があったくらいですから、色はやっぱり落ちてくれなければ困ります。
何年穿いても藍色だったら「これはホントに穿いていたのか?」となってしまうでしょう。だからインディゴでなければならないという必然…。
そう、ジーンズは時間軸のある珍しい衣料なんですよ。