・染めにこだわろう
実は、私がこのWebページで一番強調したいことは、ブルージーンズなら良い染めにこだわってほしいと言うことなんです。
ジーンズはいろいろな要素で評価できます。
ブランド、形、素材…。しかしこれらは実際個人の好みや、その時代の流行に左右されますから絶対的な価値にはなりにくいでしょう。
しかし、縫製の丁寧さとか、糸の染めの良さという部分は、そこにそれだけの労力、努力が払われているのですから、いわゆるTいい仕事Uがされているかどうかの普遍的な価値基準になるということです。
ところで昨今のオールドジーンズブームでにわかに注目されている「タテ落ち」
古いジーンズは色のハゲ方が縦方向に細かくスジが入ったようになるわけなんですが、この「タテ落ち」が、我が日本では、イカしてるジーンズなのです。
これには、全く異論はないんですが、どうも昔のムラ糸(ばらつきのあった太さの糸)にばかり目が行って、染めの良さを語る人が少ないように感じられるのは少し納得がいかいない。
たとえ濃紺のデニムでも染めの甘いデニムは色抜けが早い。早いだけでなく洗濯中に抜けた染料が緯糸に色移りするんです。結果として経糸は白く、本来白かったウネの溝にあたる緯糸は青く染まります。つまり白と青が逆転してしまうんです。
こういう色褪せのジーンズは私にはどうしても安っぽいイメージに映るんですね。
最近のジーンズではよく、四種類くらいの太さの違う糸をランダムに混ぜてタテ落ちを再現しようとしているものも見かけますけど、色の褪色が早いと結局は最後に不自然なタテスジだけを残す結果になるようです。
事実、私の穿いているジーンズでいい感じのタテ落ちになったのは、かなり長く色が抜けなかった物ばかりで、それらは特にムラのある糸じゃない普通のデニムでです。
おそらく先に白く褪色する糸が出てくるのは、太さにムラのある糸だけでなく、実は染めムラに寄るところが大きいと、私は考えています。
では昔のジーンズは染めが良かったのか?
答はイエス。しかも20年くらい前までは国産のジーンズでもごく当たり前にしっかりインディゴ染めがされていたのです。
考えてみれば、染めるということは、簡単に色落ちしないようにちゃんと染めるのが仕事としての当然の良心ですよね。だから大手のメーカーなら社名に恥じないようにしっかり染めて当然です。
ところが、折からのウォッシュアウトジーンズ、フェイドブルージーンズの世界的流行で、濃い染めを誰も評価しなくなったんでしょう。メーカーもそれならばと染めの工数を減らすという流れですね。
さて、その流れもここ数年、日本だけは変わって来ているようです。
ジーンズ本来の藍色から穿きつぶしてみようという、育て系のユーザーが増えたのとヴィンテージジーンズがブームになってTいい仕事Uが見直されてるのでしょう。
昔通りの染めの回数を増やすやり方だとは言い切れませんが、簡単には落ちなさそうな深い色のワンウォッシュジーンズが増えてきてるようです。
ただ、この場でどういう生地がいい染めなのかというと、なんとも説明出来ないのが申し訳ないんですが、あえて言うならまず青っぽい生地は避けたい。そして未洗いでない、いわゆるワンウォッシュならテカテカした感じのものより、桃のうぶげの様に毛羽だった感じのデニムで、さらに、すでに縦方向へうっすらと濃淡のあるスジが見られれば、いい仕事してますねえ、としたり顔でつぶやいてもいいんじゃないでしょうか。
最後に、ワンウォッシュについて言えば、洗い行程を省いているわけですから、願わくば、その浮いたコストをシンプルな良い染めのためにまわしてほしいというのが、私の意見です。いかがでしょう。