・色落ちの理論
相対性理論が宇宙の大原則になっているように、ジーンズの色落ちにも法則があります、それが「凸部褪色の法則」…!
一昔前に流行った、薬品で強制的にマダラ感を出すケミカルウォッシュは例外として、ブルージーンズ独特のT味Uの正体がこの法則で見えてくるのでは。
大ざっぱに言えば出っ張ったところは色褪せが早く、白くなっていくということです。
例えば、膝やお尻の所は他の場所より早く白っぽくなる。…なんだそんなことか!と思った人も多いかも知れませんが、もっと細かいレベル、たとえば裾口の厚くなっている所は必ず波打っているハズ…。そしてその出っ張った所だけキレイに白くなる、いわゆる“アタリ”が出るわけで、その裏側を見るとやっぱり波打ちの山側が白くなって谷側に青が残る。もちろん裾口だけでなく、サイドシーム、ベルトループ、ヨーク、ポケットの縫い目、ありとあらゆる縫い込みによる凹凸、ちょっとした出っ張り引っ込みでこの現象が出る。色の定着力が希薄なインディゴ染めならではの現象ですね。
そしてだいたいこのレベル(生地の波打ちやパーツ取り付け部の褪色白化)をさっきも出てきたが“アタリ”とか“アタリ感”と、みなさん(メーカーも)呼んでいます。

では糸一本一本はどうかというと(ここから本題!)デニムを表から見た場合、経糸は3本の緯糸を乗り越えて一本の緯糸の下へもぐり、また3本の糸を越えるということの繰り返しになっています。ということは、経糸は緯糸に対して全部山側(凸部)なるわけで、仮に緯糸に色が付いていたとすると、当然緯糸の部分より経糸が早く色落ちする事になります。
でも、実際に緯糸に色が付いている事は希なので、これを目の当たりにすることは無いんですが、ちょっとだけ“色落ち”の説明の所で、ここの部分を思い出してもらいたいかな。
さて法則はまだ続くのであります。もし経糸の糸一本一本の太さが同じじゃなかったらどうなるか、同じ太さのハズでも機械の調整のばらつき、人間の技術のばらつきだとか、いろいろありますから…。で、その場合、太い糸は細い糸より表面に出るのでこれもやはり凸部となって細い糸よりも早く褪色白化するということになり…そう、カンの良い方は「それが縦落ちか!」ということになるわけですね。
縦落ちに関しては、また別に書いていますが、ほとんど染めのやりかたとこの糸の太さのばらつきで決まってくると考えられますね。