JEANS INSIDER

ベストジーニスト

普段はシェア争いに明け暮れているジーンズメーカーが唯一協力して盛り上げてきたイベント。それがベストジーニストなのです。

目的はただ一つ、ジーンズ購買層の拡大です。
毎年、受賞するタレントは、一般の人の投票で決まるんですが、ジーンズの似合いそうな人なんて聞かれれば当然、時の人気タレント(お笑いではないな)が思い浮かんでしまうのが人の性ではないでしょうか?
木村拓也くんなんか、たしか4回も受賞しているはずです。
そしてシニア部門という枠もニクイところで、「おお、あの人もジーンズを穿くのか!それじゃあワシもひとつ…」なんて思わせようということでしょう。

考えてみればカッコイイといわれる人は何を穿こうが着ようがカッコイイいいんですけど、こればかりは、うまい演出としか言いようがありません。
かれこれ10年くらい続いていますが、マスコミの注目度も高く定着してきて、ジーンズメーカー協議会TしてやったりUでしょうか。


まあ、とっかかりは、好きな有名人の格好をするというのは、大いにアリなんですけど、何年も雑誌のマニュアル通りの格好をしていちゃあダメですよね。
ファッションもいろいろなジャンルがあるけれど、ことジーンズには、どうか哲学を感じてほしいですね。すきな有名人が穿かなくなったから、もう穿かないとか、そういうのってまったく哲学がない事です。

たとえば、まったくジーンズを穿かない人って多いですけど、きっとこの人達の多くは、ジーンズ独特の哲学の匂いを感じて相容れないのではないでしょうかねえ。そうだとしたら、それもまたカッコイイじゃないですか。一本通ってますよ。


たっちゃんはテキサスブロンコ

ベストジーニストで思い出したのは去年のシニア部門で受賞した梅宮辰夫さん。
「私はいつもジーンズにきちんと折り目を付けています」発言で失笑を買ったという話。
不思議なのはこれをだれもフォローしてないということです。なぜならそういう穿き方は、たまたま日本では一般的でないだけで、テキサスとかアメリカの田舎の方に行けば、フォーマルな場所へ、糊を効かせたジーンズを穿いていくという習慣がわりあい多いんです。
よく、輸入古着で、真ん中に白くスジの入ったジーンズを見かけるのは、そのせいです。

まあ、たとえ梅宮氏がそれをまったく意識していなかったとしても、ちょっとジーンズの知識のある人なら「さすが梅宮さん、テキサス流の穿き方ですね」くらいのコメントを出せたはず。


真のベストジーニスト

個人的に、本当のベストジーニストじゃないかと思っている人がいます。それは写真家の浅井晋平さんです。
以前働いていたショップには何人かの有名人がお得意さんにいましたが、一番頻繁に来られていたのが、紛れもなく浅井さんでした。
じゃあさぞかし、たくさんジーンズを買って行かれたかというと、そうでもないのです。浅井さんの来店には必ず大きなバッグが伴います。「いやあ、東南アジアの方で仕事してきてねえ」と言いながら、開いたバッグから見たこともないブランドのジーンズが出てくる出てくる。
丁寧にちゃんと全部スソを折ってあって「じゃあ、すみませんがよろしく」
あとは、手の空いた者がせっせとミシンを踏むわけですね。
こんな浅井さんですからテレビのクイズ番組なんかで見かけると、必ずジーンズ姿ですよ、ホントに。しかもいろんなバリエーションで楽しんでらっしゃるようで、ある時はLeeのカタログを持参されて「これ、ほしいんだけど?」と指をさしたのが、たしか"303"というスリムのブラックツイルバージョン。
「置いてないんで2〜3日かかるんですけど…」
残念そうに「う〜ん、そうかあ」
それからどうも急いでいたらしく、とりあえず他の店を探してみるという事になって、店を出られた。
それを見送りながら、ふと思い出したのが、すぐ近くにあるもう一軒のジーンズショップ。この店とはあまりつき合いがなかったのですが、たしかLeeのツイルがあった気がするなあ、と思って、なにくわぬ顔で確認に行ったら、果たしてあったんですねえ303ツイル、サイズもある。
ほどなく、あきらめ顔の浅井さんが戻って来られたので、教えてあげたわけです。 「あの店、ありますよ」とね。


この私ですら、ブランドだの、細かいディティールだのをチマチマ気にするのに、こんな浅井晋平さんこそ、ジーンズが似合う真のジーンズ好き、ベストジーニストじゃないでしょうか?

でもなんでまず、一番近い店に探しに行かなかったんだろう、浅井さん。面白い人です。


追記)そのころ「ビッグジョンはなかとね?」とやってきた鮎川誠さんには恐縮した。ビッグジョン、ほとんど置いてなかったから。


ベストジーニスト98,5連覇の木村拓也は、ぶっちぎりの得票数だった。そして、なんと、ジーンズの殿堂入りになって、来年からはジーニスト対象外になったそうです。なおジーンズの殿堂は木村くんのために急きょ、事務局が作ったもの。話題集めという主旨からは外れつつあった、マンネリ化に強引な終止符を打ったカタチでしょうか。
以下はZAKZAKからの抜粋です

また、キムタク以外にも一般選出女性部門でタレントの吉川ひなの(18)、協議会選出部門では元大関の小錦八十吉(34)、田中眞紀子衆院議員(54)、歌手の和田アキ子(48)、特別賞として故黒澤明監督が選ばれた。 米ロサンゼルスでオーダーメイドしたオーバーオールのジーンズで壇上に上がった小錦は「キムタクみたいになりたい。現在体重270キロだが、160キロにする」と言っていた。



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