・ジーンズのメッカ・岡山
日本製と言われるジーンズのほとんどが岡山県で作られていることはあまり知られていないかもしれません。
筆者は実際に行ったことはありませんが、県内には織物工場、縫製工場、洗い工場などが大まかに二つの地区に分かれて多数あるようです。
大手メーカーのボブソン、ビッグジョンはその岡山に本社があり、それ以外のNB(ナショナルブランド・・地元では大手メーカーをそう呼ぶ)も、製造をこの岡山に依存しているケースが多いといいます。
岡山本社のボブソン、ビッグジョンを意識して「東京(江戸)が勝つ!」の意味でEDWINの社名が付けられたことは有名です。
おもしろいのは、他県にもアパレル関係の産業が地盤になっている所はあるようですが、そういった場所でも、さすがにジーンズは造れないそうです。そのことだけでも、いかに岡山県がジーンズを基盤産業としているかがうかがい知れます。
1994年、夏。中国四国地方はまれにみる渇水に見舞われました。
四国の、とあるダムの、どんどん減っていく水の映像が、連日テレビで流されていた事は記憶に新しいところですが、当時、それが自分の仕事に影響してくるとは夢にもおもいませんでした。
夏の半期決算も終わり、さあこれから秋物を、ど〜んど揃えようという時。どうしたことか、入荷が鈍い。そのうち、2〜3日涼しい日が続いたりすると、もうよけいに焦ってくる。とうとう「いったい、どうなってるんだ?」と担当の営業さんに詰め寄って、初めて岡山県の水不足のために出荷が遅れていると知ったわけです。
この時の渇水では、特に工業用水を多く使う洗い加工業へのダメージは大きかったようです。
ジーンズに限らず、今ではいろんな衣料にストーンウォッシュなどの洗い加工をするようになってきているので、おそらくジーンズ以外の物にも影響していたことは間違いありませんが、やはり洗い加工の多いジーンズは軒並み出荷が遅れたようで「ジーンズも雨だのみ」ということなんでしょうか。
以下、岡山出身の、ある知り合いとの会話
「よくJRの大きな駅だと、ショーウィンドウみたいな感じで、その土地の名産品をディスプレイしてあるじゃない。岡山駅ではジーンズが入ってるの?」
「それはない。まあ、桃とかブドウとかそんなものだね」
「いれたらカッコイイのになあ。じゃあ駅から降りて街へ出ると、いきなりジーンズ穿いてる人ばっかりとか…」
「いやあ、他のとこと割合は一緒でしょ」
どうやら岡山県は地場産業のアピールには控えめの姿勢らしい。
ちなみに筆者の出身地である福岡県久留米市は、月星ゴム、ブリヂストン等のゴム系会社が多く、駅のディスプレイには、久留米絣(がすり)と並んでスニーカーが入っていました。だからよく名物は何だ?と聞かれると、スニーカーです、と答えているわけです。もっとも土産にしたことはありませんが…。
そんな岡山のジーンズ産業も最近は空洞化が進んでいるそうで、廃業された業者さんの排出したミシン等が余っているとか。…そうかぁ、このさい職人系のジーンズファンは思い切って行っちゃうのもいいかもしれないですよ。
私はとりあえず「がんばれメイド・イン・ジャパン」と、遠くから応援しましょう。

岡山名物きびだんご