JEANS INSIDER

・何がジーンズか?

ジーンズってそもそも何だ?何をもってジーンズと言うんだ?というお話をしたいのです。
えー、何を今さら!という感じもあるけれど、私のジーパン屋奉公時代は、よくデニム地のトラウザーを試したお客さんが「このジーパンは楽で良いな。これに決めた」とか、百貨店の売場の時は、定番のディナージーンズを一生懸命スラックス売場で探すおじさんとか、とにかく後を絶たない。これはちょっと最初にはっきりしておかないと混乱の元になりそうですからね。

ジーンズは仕立ての様式

あくまでカジュアル衣料の業界的な定義だけれど、ジーンズは「ジーンズ仕立てのパンツ」。生地はデニムに限定されず、様々のバリエーションがあるし、今後も新しい素材が次々と使われる可能性は高いでしょう。
パンツはもちろんT穿くものUの意味。
業界ではよく上半身に着るものに対して、下半身に着るものの意味でボトムスと言う言い方もしますが、これだとスカートも入ってしまうんで、英語的なニュアンスをとって、一応この「ジーンズ・インサイダー」ではパンツで統一したいと思います。
じゃあジーンズ仕立てはどういうもんかとなるんですが、それはトラウザーと比較するのが手っ取り早そうです。



明白な仕立ての違いはやはり、ポケットでしょうか。
見た目のスッキリさを考えたトラウザーは、フロントもバックもインポケット。 特にフロントは目立たないようにサイドのシームギリギリに縦に付けるわけですね。
対してジーンズはフロントの場合、同じインポケットでも実用本位の付き方で、ウォッチポケットも、お決まりのディテール。そしてバックのパッチポケットはジーンズの後ろの顔みたいなもんですが、やはりハードな使用に耐える丈夫さの結果なんでしょう。
バックヨークという三角の部分もジーンズ独特のもので、やはり丈夫さと、フィットを意識した立体的なデザインのため。
その同じ立体感をトラウザーではタック(つまんで縫い込む)でやっているのですね。
ちなみに、業界ではトラウザーに対してジーンズはポケットが一つ多い事から「5ポケット」とも呼ばれてます。

ポケット以外ではシーム(生地の合わせ目)に巻き込み縫いが多いのもジーンズならでは。
読んで字のごとく、生地と生地を巻き合わせて2本針のミシンで線路のごとく縫ってあります。ペインターパンツでは、よく3本針(トリプルステッチ)仕様がありますね。
とにかく丈夫さ途上主義時代の必然的仕様なのでしょうが結果、ジーンズ独特の味に一役買っちゃってるわけなのです。


ペインターパンツ、オーバーオール 等にはトリプルステッチが多い



トラウザーってチノパン?

ジーンズメーカーは多かれ少なかれトラウザーも手がけているんですが、トラウザーでピンと来ない人はチノパンと言ったら分かりが早いでしょうか…?

辞書でトラウザー[trousers]を引くと(ズボン)となっています。同時にスラックス[slacks]も同じくズボンなんだけれど、日本では前々からどうもウールや化繊の生地で、よりフォーマルな雰囲気のパンツをスラックスと呼んでいたようですね。そこでジーンズメーカーは、おそらく自らのT綿を原料にした、シワがあっても気にしない系Uのパンツを、それらと区別したいためにトラウザーと呼ぶようになったのではないかな。(あくまで私の推理ですが)。
つまり、トラウザーも仕立て(形)を指しているので、さきほどのチノパン・・・たしかにチノパンでも十分通じるんだけれど正確にはチノ生地のトラウザーとあえて言いたい。
実際のところ、このトラウザーという呼び名は一般にはまだ馴染みが薄いようですが、この「ジーンズ・インサイダー」ではトラウザーで、統一していきますなのです。


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