シルクスクリーンの原理


シルクスクリーンを工程に分けると、デザイン>製版>プリント、となるんですが、デザイン以外は理屈の世界なので、この原理をよく知っているかどうかで、実は仕上がりも表現できる範囲もずいぶん違ってきます。

原理はある意味、非常に単純で、四角い枠に網を張ったものに、いろんな形の紙を乗せて、上からどろっとしたインクを塗り付けると、紙のあった形以外にインクが下へ押し出されて生地にへばりつく……という、それだけなんですが、現在ではこの紙を使わずに図版を光で焼き付ける、写真製版という方法が主流になってます。

とりあえず、カタカナのイの字の版を作るという設定で説明しましょう。
図のAの方法は古典的なやり方で、逆にいうと解りやすい。
なんでも、もともとは、やはり絹糸(シルク)を網状に張ったものに型紙を並べて着物等に柄をつけていたんだそうで、小紋っていうんですか…あれも今でもそうやってるらしいです。
それを明治とかそのあたりに外国人が見て、広めたという、まあどうでもいいことですが……
図1

このAのやり方だとイの字程度なら、ホントに簡単なんですが、細かい図柄だとカッターの刃先では限界があるし、水玉模様や、ドーナッツの模様はお手上げになるということで、Bの方法となるわけです。
注目したいのは、Aでは版の色はなんでもいいんですが、Bだと、白に黒ということ。
これは、実は網(メッシュ)には薬品が塗ってあって、最初から網目を塞いでいます。
この薬品は、そのままだと、水に溶けるという薬品なんですが、しかし、ここに一定量の光(紫外線らしい)が当たると水に溶けない物質に変わってしまうわけです。
つまり黒い部分は光が通過しにくいので適当な時間、光をあてて、すばやく丸洗いすると、版の白い部分と、乗ってない部分は耐水性になり、黒い部分だけが溶け落ちて網戸の網と一緒になってしまって、そこでめでたく"イの字"の版は出来るのです。

二つの版の違いを、もっとわかりやすくしたのが、下の図です。
スキージという、横長のへらでインクをなでつけます。
オレンジのインクでプリントする例ですが、とにかく、インクは白でも黒でもオレンジでも、そこを決める版は黒という理屈を押さえましょう。

図2

こんなふうに、加減によってインクが大量にのせられるので、凸版版画に比べると、かっちりと厚塗りな感じに仕上がる特徴があります。
注意したいのは、相手がTシャツ等の布の場合は、インクの硬さ、手の加減でにじんだりしやすいということですが、これも慣れると、一発OKは難しくないです。

なお、どちらも正統派のやり方ですが、実際に正統派を踏襲しようとすると枠の組立>メッシュ張り>薬品の塗布>乾かし…とあきれるほど大変ですので、もちろんシルクスクリーンにマジメに取り組んでいる人はそういうものとしてやってらっしゃるようですが、私たちのように、1〜2枚のTシャツのプリントならば、今は便利なキットがあります。
それを今後は中心に、このコラムを進めて行きたいと思います。

本格的に取り組みたい方には、専門書がありますので、探して見て下さい。

●紙で塞ぐ方法は、なに技法と言うのか忘れた。当然ただの紙ではなく水をはじく専用のもので、蝋のようなものを使ってアイロンで貼り付ける(のかな……)
●スクリーンに焼き付ける、モノクロの版はポジフィルムと言うようです。

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